バイラテラル手法は、交互に一定の速さで右脳と左脳を刺激する手法です。
この手法は、ABS(Alternating Bilateral Stimulation:両方(の脳)への交互刺激)手法とも呼ばれています。
(1) 右脳と左脳の協調した働きを誘導するバイラテラル手法
多くの本やTV番組などで取り上げられている通り、私たち人間の大脳皮質は左脳と右脳という
二つの領域に分かれていて、以下のようなそれぞれ違う働きをすると言われています。
【右脳】イメージ処理 ひらめき 直感をつかさどる 音楽、図形感覚、合成的、全体的、感覚的、直観的。 【左脳】言語 論理思考機能をつかさどる 言語、観念構成、計算、分析的、抽象的、論理的。 従って、通常は、例えば音楽を聴いているときは、右脳が働き、勉強や仕事のときは左脳が働くなど脳の分業が 行われています。 しかしながら、右脳と左脳は完全に分割されているわけではなく、脳梁と呼ばれる神経線維の束によって結ばれ ており、互いに情報交換を行っています。 (男性と女性では脳梁の形が異なり、ここに脳の性差を生む原因を求める考えが多数です) カリフォルニア大学の実験では、音楽を聴いているときの音楽家の脳の働きは素人と違い、右脳も左脳も両方が 同時に働いていることがわかりました。 このように両方の脳を同時に協調して働かせることにより、脳は効率よく情報を処理できるのです。 このことを、学習に応用した例として、ブルガリアで生まれたスーパーラーニングがあります。 スーパー・ラーニング(日本ではスピードラーニングという名称で売り出されています)は、本来左脳だけを使う外国語学習に音楽、リズム、抑揚、呼吸法を取り入れて、両方の脳の協業を図っています。それにより普通の暗記の50倍以上の量を、必死に頑張ることなくリラックスして何度も繰り返さずに覚え、しかも長期間ほとんど忘れない、ということが可能になったのです。 ところが、多くの人は逆に、日常生活においては片方の脳(とくに左脳)だけを偏重して使う傾向があります。 これでは、単に効率が悪いどころか、片方の脳がオーバーヒート(脳内温度上昇による脳疲労)してしまい、脳の機能低下やストレスを引き起こしたりもしています。 この結果、脳疲労が続けば、自律神経機能障害から自律神経失調症を引き起こしますし、躁鬱病に至る恐れもあります。また、一方の脳を酷使し続け、片方の脳を使わなかいことでアルツハイマー型痴呆症になった例も報告されています 左右の脳の偏用による弊害につきましては、フジテレビ・関西テレビ系「あるある大事典」でも幾度か取り上げられて いますので、番組のページも併せてご覧頂ければ、よりご理解頂けるかと思います。 「発掘!あるある大事典 141回」 「発掘!あるある大事典 202回」 右脳と左脳を交互に素早く刺激するバイラテラルは、このような問題を解決し、両方の脳を同時に協調して使用することを目指すものです。 目次に戻る
(2) バイラテラルの応用例−EMDR
最近、ABSを要素とする治療法としてEMDRが注目されています。
バイラテラルCDは、音の刺激ですが、EMDRは眼球運動による刺激という点が異なりますが、いづれも交互に左右の脳を刺激している点が共通しています。 【EMDRとは 】 EMDR(Eye Movement Desensitaization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理)は、トラウマ(心に受けた傷)の治療に非常に有効性の高い技法として注目を集めている心理療法です。これは、簡単に言いますと、セラピストの指示のもとで、トラウマとなった出来事を考えながら、一定の速さで眼球運動を繰り返すうちに、いつのまにかつらい記憶が和らいだり、症状が軽くなったりするというものです。このEMDRのベースにあるのは、右から左、左から右へ動く眼球運動が右脳と左脳を交互に刺激して、ショックによって止まってしまった脳の情報処理プロセスが活性化させるということです。 他にも、EMDRは、末期ガンの患者などの肉体的苦痛を軽減したりするのにも応用されていますし、スポーツ等の場への応用も検討されています。 EMDRに関しては、米国では、沢山の書籍やHPがあります。 日本では、EMDRはまだそれほど普及しているとは言えませんが、大学病院などでも次第に取り入れられています。 また、「EMDR Network Japan」や精神科医の方のHomePageにも載っていますので、興味のある方は、ご覧頂ければ幸いです。(申し訳ありませんが、直接リンクはしていません) ・Google で EMDRの日本語のページを探す なお、EMDRは、トレーニングを受けた専門のセラピストの指示のもとに行われなければなりません。 目次に戻る
(3) ABS=バイラテラルCDの効果
ABSは、EMDRのように治療目的だけに用いられるものではありません。
一般の健康な人も、脳の本来の機能を取り戻させる、以下のいろいろな効果が期待できるのです。 ■リラクゼーション ■集中力の向上 ■ストレスの解消 ■精神疲労からの回復 ■不安感の軽減 ■学習効率のアップ ■スポーツの大会や演奏会・試験など大事の場での実力発揮 ■人や環境に対する適応力のアップ ■身体感覚(気づき)の向上 ■イメージを視覚化する能力の拡大 など バイラテラルCDの使用者からは次のようなメッセージが寄せられています。(使用者の声) ・睡眠が深くなった 寝つきが良くなった (ただし、聞いてから時間を置くことが必要のようです) ・悪い夢を見て夜中に起きることがなくなった ・イメージ・トレーニングの効果が上がった ・今まで本番に弱く、勝てなかった空手大会で優勝することができた ・アマチュア・ゴルファーですが、バイラテラルCDを聞きながら、イメージトレーニングを行った結果、イップスを克服 できた。ハンデも2つあがった。 ・野球のショートをしていましたが、大事な試合で暴投して以来、スローイングに自信をなくしコンバートされていました。バイラテラルCDとイメージトレーニングの結果自信を少しずつ回復しており、元のポジションに戻れる日も近いと思います。 ・失敗するかもというような悪い予感を持たなくなった ・仕事でのプレッシャーが気にならなくなり、決断力、判断力がついたように思う ・苦手な上司や先輩のことが気にならなくなり、仕事が楽しくなった ・人前でスピーチするのが苦手で、すぐに赤くなっていたのですが、だいぶラクに話せるようになりました ・営業の仕事をしています。いままで仕事が終わると疲れてぐったりしていたのが、疲れなくなりました ・集中力がついたので、成績がアップした などなど 目次に戻る
(4) 「C.クエスト」について 〜ハーモニック・マトリックスとの融合
C.クエストは、ヴァンテージ・クエストで使われているハーモニック・マトリックスという音をベースにこれをバイラテラル化
したものです。
ハーモニック・マトリックス とは、理想の脳波に導く周波数を持つ音の集合体です。 脳には、音の周波数に脳波が同調する性質があります。10Hzのパルス音(実際には人間の耳には聞こえないので さまざまな工夫をしておりますが)を聞いていると脳波も自然と10Hzのα波に誘導される性質です。 このような「周波数同調現象」を利用して、マインド・マシンと呼ばれるいろいろな機械やCD(ヘミシンクなど)が発売されています。ただ、従来のマインド・マシンやCDはバイノーラル・ビートという手法で、1つの周波数の脳波に同調させようとするものでした。 これに対して、カーライル・バーグクエスト博士によって開発されたハーモニック・マトリックスは、波の合成の性質を利用して、調和した関係にある多くの周波数の脳波を誘導するものです。ハーモニック・マトリックスを聞くと脳波は広範囲にわたって調和ある活性化状態に導かれます。 C.クエストは、ハーモニック・マトリックスをベースにすることにより、海外製のバイラテラルCD(ベースは波の音だったり、普通のパルス音のことが多い)に比較して、脳の刺激効果が強く(脳に響く感じがします)なっています。 5分程度お聞きになっただけでも、頭が冴える感覚が得られることと思います。 C.クエストは、お聞きになる方の習熟度やお好みに応じて、以下の4つの周期速度を用意しています。 150 ビート/分 15分 120 ビート/分 15分 90 ビート/分 15分 60 ビート/分 15分 EMDRで使われるのは、通常 120ビートか150ビートですが、それでは速すぎると感じられる方は初めは60ビートか90 ビートでお聞きになることをおすすめします。 C.クエストは、ステレオ装置でお聞きになることが必要です。 効果を最大限に引き出すためにはヘッドホンでお聞きになるようお願い致します。 目次に戻る
(5) 「C.クエスト」を試聴する
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